プロローグ:運命の輪切り

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登りなれてきた坂道。 坂道を登るのはあんまり嫌いじゃない。 斜め上を見上げて突き進むのは、なんか元気がでるし、 坂を乗り越えた後、振り返って京都の町並みを見下ろすのが、なんとも気持ちいい。 この坂の上にある病院で、 私は4月から看護師として働きはじめていた。 いつもは息を切らしながら登る坂だけど、 5月のその日、私は病院の無料送迎バスに揺られていた。 そして、となりに母がいた。
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