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ここは楽笑高等学校の『懲罰室』。
その名の通り生徒への懲罰を行う部屋である。
「……遅い」
椅子に腰を降ろし、苛ついた様子で呟いた彼女。
彼女の名前は 橘 ネイフィ。
懲罰委員会の一人で、副委員長を務めている。
―ガチャ
すると、一人の女子生徒が懲罰室に入って来た。
肌をこんがり焼き髪を金に染めた、いわゆるギャルである。
「マジ意味わかんねーし。なんでウチが呼び出されなきゃいけないの? ウチ何もやってないし」
部屋に入るなり文句を連発する女子生徒。
「はあ…」
ネイフィは呆れてため息を吐き、どこからか書類を取り出してそれを読み上げた。
「一年五組、十七番。
鹿野 志帆。
スカートが短すぎ。遅刻常習犯。限度を超えた頭髪の染色。おまけに素行の悪さに、赤点の嵐。
これでも何か言う事がある?」
「あんただって金髪じゃん!」
「私のこれは地毛よ。私はハーフなの」
「……あーわかったわかった。説教するなら早くしてよ」
開き直り、全く反省の色を見せない志帆。
「……ったく…。とりあえず、ブレザーを脱いでそこのベッドに横になりなさい」
「はぁ? なんでそんな事しなきゃいけないんだし」
「早く帰りたいんでしょ? だったらさっさとしなさい」
志帆は不服そうな態度を取りながらも、言われた通りにした。
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