懲罰 FILE1.

2/8
前へ
/56ページ
次へ
ここは楽笑高等学校の『懲罰室』。 その名の通り生徒への懲罰を行う部屋である。 「……遅い」 椅子に腰を降ろし、苛ついた様子で呟いた彼女。 彼女の名前は 橘 ネイフィ。 懲罰委員会の一人で、副委員長を務めている。  ―ガチャ すると、一人の女子生徒が懲罰室に入って来た。 肌をこんがり焼き髪を金に染めた、いわゆるギャルである。 「マジ意味わかんねーし。なんでウチが呼び出されなきゃいけないの? ウチ何もやってないし」 部屋に入るなり文句を連発する女子生徒。 「はあ…」 ネイフィは呆れてため息を吐き、どこからか書類を取り出してそれを読み上げた。 「一年五組、十七番。 鹿野 志帆。 スカートが短すぎ。遅刻常習犯。限度を超えた頭髪の染色。おまけに素行の悪さに、赤点の嵐。 これでも何か言う事がある?」 「あんただって金髪じゃん!」 「私のこれは地毛よ。私はハーフなの」 「……あーわかったわかった。説教するなら早くしてよ」 開き直り、全く反省の色を見せない志帆。 「……ったく…。とりあえず、ブレザーを脱いでそこのベッドに横になりなさい」 「はぁ? なんでそんな事しなきゃいけないんだし」 「早く帰りたいんでしょ? だったらさっさとしなさい」 志帆は不服そうな態度を取りながらも、言われた通りにした。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

361人が本棚に入れています
本棚に追加