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「私は花形美奈です。えと…その崇とは…あ、えとじゃなくて高月君とは…」
そこまで言うと言葉を区り下を向いてしまった
「えーと…大丈夫?」
声をかけても反応はなく
僕が他の二人を見ると二人は美奈を見て真剣な目で見ていた
まるで頑張れと言っているかのように
「高月君は…わ、私の…大切な友達ですっ」
彼女はやっぱり悲しそうに笑ってそう言い切った
何故彼女がそういう顔をしたのか
何故そんなに強く言い切ったのか
今の俺にはわからなかった
ただその言葉は自分の迷いを割り切るものでもあったように感じた
「ご、ごめんなさい…今は上手く言葉にできないので質問や自己紹介はまた今度にしていただければ…」
「あ、うん…わかった」
「とまぁ、ここまでで俺達の自己紹介タイムは終了だ」
仕切り直すように榊が言い
全員がこちらを見た
「…えーと、顔に何か付いてる?」
「そんな定番な返しは求めてないよ!次は高月君の番だよ?」
「え。つまり自己紹介をしろと?」
「当ったりまえじゃん!」
「それに高月がどこまで知ってるか俺らも知ってる必要があるだろう」
まぁ確かに学校に復帰するならばこの三人には助けてもらう機会もでてくるだろうし
何より自分自身の状況を整理するためにもやっておいたほうがいいかもしれないな
「わかったよ。ただし覚えていることだけしか言えないからな」
それだけを言うとゆっくりと目を閉じて思い出す
少しずつ湧き出る情報を頼りにゆっくりとゆっくりと記憶を辿る
そして僕は言葉へと紡いだ
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