花見(後編)

3/6
前へ
/64ページ
次へ
太朗の歩くスピードがよっぽど遅かったのか 業を煮やした由乃が 走った道を逆戻りし、太朗の手を引いていった。 「まっ...」 由乃の勢いが強すぎて 太朗は危うく転びそうになった。 しかしそんなことはお構いなしで由乃はずんずんと 先に進もうとする。 そんな二人を涼子は嬉しそうに見ていた。 「由乃ちゃん、店長、私がいることも忘れないでくださいね!」 二人の後ろからそう叫ぶと、 太朗が助けてくれと言わんばかりの表情で 涼子の方を振り返った。 それを見てまた涼子は笑った。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加