序.悪始動

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実際、研究物質から電子ケーブルを通して情報が流れて来るのはありえない。 しかも電子ケーブルは『物質へ情報を流す』のは出来るが、『物質から情報を流してくる』のは出来ないのだ。 眼鏡の研究員は電子板のボタンをキーボードのように叩くと、違う画面が標示された。 【通信伝言】と文頭に書かれた簡易な文章が画面いっぱいに映し出される。 そして、眼鏡の研究員は文に目を通す。 【通信伝言:M02から→『……』】 「……」 研究員は少しイラッとした顔になった。 研究物質にからかわれて少し不機嫌になり、標示画面を変えようとした。 しかし、また、 【通信伝言:M02から】 「……!!」 研究員はこめかみに青筋を浮かべて、カプセルの中の人間を睨み付ける。 カプセルの中はさっきと変わらず、人間が一人浮かんでいる。 研究員は面倒くさそうに電子板の画面の伝言に再度目を通す。 【通信伝言:M02から→『死ね』】 研究員は頭が怒りで爆発した。
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