序.悪始動

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少女はまるでテープレコーダーに録音された声が途切れたような喋り方をしていた。 研究員を馬鹿にするような言葉を掛けると、少女はさらに人差し指だけ伸ばし、研究員の体に触れようとする。 「やめろ!!お前は俺に作られたんだぞ!?生みの親を殺す気か!?」 「当たり前、親殺して、私は、逃げる、しかも、人目につかない、場所だから、誰も気付かない」 そう言うと、少女は人差し指で研究員の体を突いた。 研究員の目には一発しか突いていないようにしか見えないが、実際には五発突いている。 「ど……」 研究員は五発の衝撃を体感した。 しかも、突かれた場所が黒く壊死し始めた。 「M02!!この壊死を止めろ!!」 「やだ」 研究員は叫ぶと、少女はそっぽを向いて暗い部屋の中を歩いていく。 「待っ……」 研究員は手を伸ばし、少女の腕を掴もうとする。 しかし、壊死する早さは恐るべき早さでその手も壊死した。 そして、気付いた時には研究員は体全体が黒く壊死し、静かに息を引き取っていた。 研究員は音もなく、倒れた。 「お腹、減ったなぁ」 少女は腹に手を当てて、部屋の壁からスイッチを見つけて、指で押して扉から部屋を出ていった。
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