『パンドラ』

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「――――渚、起きなさい!」 「…ん…」 目を覚ますと白い天井がみえた。 いつもと同じ光景。でも、今日で最後かもしれない。 ゆっくりと身体を起こし、ベッドの棚に置いてある携帯電話を手にとる。 6時ジャスト、これなら十分間に合う。 再びくっついてしまいそうな目を擦りながら、リビングへと向かった。 「おはよう、お母さん」 「おはよう、渚」 リビングに入ると、お母さんが朝食を運んでいた。 「ちゃっちゃと食べて、用意しなさいよ~」 「うん」 あたしは、イスに腰掛けながら、少し離れた場所にあるソファを見た。 そこには制服がきっちりと畳まれて置いてあった。 そう、私は今日から高校生になるのだ。 普通じゃない、高校生に
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