『水の魔女』

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――――私たちが教室に入ると一斉にクラスメイト(になる予定の人達)の視線が私たちに突き刺さった 「あーっ!!学年トップの子だ!!」 という一人の女子生徒の叫び声とほぼ同時に私たちに人の波が押し寄せる あれよあれよという間に私たちは身動きがとれなくなった。 「あーちょっと、ちょっとごめんね」 「ごめんねー!!」 アンジェの手を引きながらなんとか人の波から逃れ、指定された席へとつく。 大多数の人は満足して席へと戻り始めたのだが、数名の女子がばたばたと私たちを追いかけてきた。 「学年トップのナギサちゃんとアンジェちゃんだよね!?」 「そうだけど……どうしたの?」 目の前の女の子はぱん、と手をあわせて 「ねえ、アンジェちゃんって銃に変身できるんでしょ?見せて!!」 と私に言った。 私は苦笑いでアンジェに流す 「と言っておられますが~、アンジェ殿~」 アンジェ曰く、ただ銃になるだけでもちょっとだけ負担があるらしい。 先程の戦闘の後もヘロヘロになりかけていたのでとりあえず確認する 「いいよ~!!」 アッサリOKが出たので長銃に変身させる 「わああ!すごーい!」 私の手からいつの間にか銃が消えており、女子の手に銃が握られていた。 「あ、あんまりヘンに弄ると大変だから――――って、聞いてないねコレ」 「これ引き金?へーカッコイイね!」 と、引き金に指をかけた瞬間、誰かが銃を持った女子にぶつかり、その反動で引き金をひいてしまった。 「な――――」 銃口の先には、一人の生徒がいた。 「逃げてぇっ!!!!!」 悲鳴のような叫び声が教室に響いた。
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