『水の魔女』

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「はいはい席についてくださいね~」 ドアを開けて一人の男性が入ってきた。 「じゃあね!」 と軽く別れの挨拶をし、彼女は自分の席へと戻っていった。 「あ、うん……」 名前教えてもらうのを忘れたけど、まあいいか。 後で聞けばいいし それよりも入ってきた男性のことが気になる。 きっと担任なんだろうけど……その、あまりにも 「カッコイイーー!!!」 と、どこかからか黄色い声がどっ沸き上がる。 彼はまるでどこかの国の王子様のような風貌だった。 ブロンドの髪に翡翠のような色の瞳、いかにも優しそうな雰囲気…確実に世でいうイケメンの類に入る。 「初めまして、僕はこのクラスの担任のヨハン・レイドです。よろしくお願いします」 常に優しげな笑みを絶やさないレイド先生に女子生徒がメロメロだった。 「ねえナギサ」 「うん?」 「ナギサのたいぷの人?」 アンジェの衝撃的なセリフが私に直撃する。 なんとか吹き出しそうになるのをこらえて、いやまあいい人だとは思うよと答えた。 「ふーん……」 若干つまらなさそうな表情をしてるけど彼女の想像では私がゆでだこになっていたのだろうか…… 「僕はこのクラスの担任でもありますが、同時にパンドラ学の教科も担当しています」 「パンドラ……」 よくよく考えれば、パンドラは箱だとかなんだとかって聞いたことがあるけど、私たちが倒すパンドラも箱なのだろうか? あまり絵にはならない気がする……箱を壊すって、なんかあまり見栄えがよくない気がするのは私だけなのかな……?
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