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「ま、それはさておきあっちの銀髪の方、セトくんは2年の2位で“せいけん”使いです」
「せいけん、ってなんですか?」
誰かが尋ねる
「星の剣――――つまり星の力を宿した剣です、彼はその星剣を自由自在に操ることが出来るんですよ」
「星か……」
成る程、だから彼は“慟哭の流星”なんて異名がついたんだ。
「星の力といっても様々でね~確か全部で88種類だったかな?」
それを自由自在に扱えるとなると相当強いけれど、でも……
普通じゃない。
ジョウに対して大きな恨みをもっている、それが彼の原動力になっている気がした。
災厄を振り撒く者を倒す存在が、そんなのでいいのかな……
「ただし彼はねえ……いや、なんでも」
先生が少し苦笑をして、首を横に振った。
ジョウがセトに言っていたことと、なにか関係あるのだろうか
「……」
「ナギサ?」
「あぁ、いや、なんでもないよ」
アンジェが心配そうな顔でいつの間にか私の顔を覗き込んでいたのでぽんぽんと頭を叩いた。
「ねえナギサ……あのさ」
「ん?」
「あの白い人……こわいよ」
「え――――」
私の声が、凄まじい轟音で掻き消され、猛烈な風が私達を包んだ。
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