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「渚~~!!一緒にご飯食べよっ!!」
「いいよ~、ちょっと待ってね!」
昼食はいつも教室で友達とワイワイ騒いで食べている。
その時が悩み事もなにもかも忘れられる、唯一の時間だった。もちろん私だけじゃなくて、皆。
そしてその日も楽しく喋りながら、昼食を食べていた。
「あっ、でさでさ、今月の――――」
友達の里沙の声が、ピーンポンパンポーンという電子音で遮られた。
教室がシンと静まる
「え~1時半から政府からの緊急放送が始まります、教室のテレビをつけておくように」
スピーカーから教頭の声が響き渡った。
そして再びマヌケな電子音で放送が終わる。
時間にしてみれば一分あるかないかの時間だったが、その直後から教室内には不穏な空気が漂いはじめた。
「せ、政府ってことは国ってことだよね…え、なに、戦争、とか?」
里沙の顔が急に青白くなっていく
「んなわけないでしょ……」
「えぇ、怖いよ渚~!」
里沙がびえん、と私の腕にひっつく。
「こら、ひっつくなっての~!!」
私は苦笑しながら里沙の頭を撫でた。
他の友達もわらわらと私にひっついてきて、完全に身動きがとれなくなった。
「放送まであと5分…か」
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