蛇の指輪

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「好きなのに食べちゃうんだ」 「好きだから食べるんだ」  クロの返事が早くなる。いつものクロよりもずっと、反応的な。 「好きで好きで、届かないから食べるんだ。食べて、自分の物にしたかったんだ」  それは喩え話の域を超えたものに思えた。あまりにもはっきりと言うものだから。クロはこんなにロマンチストだったっけな。 「蛇だって、太陽には持てない色々な魅力を持ってるのにね」  そう返すと、クロは押し黙ってしまった。何か気に障るような事を言っただろうか。自分はクロじゃないから、わからなかった。
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