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少年の名前はバース=リスカトル。
彼は15歳にして、犯罪組織「メーデー」のリーダーである。
メーデーは最近、急激に成長してきた組織で、「大量無差別殺人」・「爆破テロ」など、残酷で残虐な犯罪を冒している。
そのため、メーデー対策に政府も動き始めようとしていた。
バースは自分の部屋で本を読んでいる。
皆が集まるまでの時間つぶしだ。
「禁断魔法」と表紙に書いてあるその本には、バースの黒いオーラが込められているため、バースにしか読むことができない。
トントン
ノック音に合わせて本から顔を上げる。
「どーぞ」
失礼しますと女の声がして、ドアが開く。
「レイサか。さっきはありがとね」
長い黒髪の女は先程、バースに皆の集合を命じられた、メーデー幹部の一人「レイサ」だ。
「いえ、ありがとうございます。皆がそろいましたので、来ていただけますか?」
レイサは深く頭を下げて言った。
「うん。行こ」
長い廊下を無言で歩く二人。
しばらく歩いたところで、レイサが大きな扉を開く。
「どうぞ」
レイサが言うと、バースは軽く頷いて、開かれた扉の奥まで進む。
進んだ先にはもう一つ扉があり、その前に男が立っている。
「バース様。お待たせしました。どうぞ」
そう言って扉を開けた男も、レイサと同じメーデーの幹部だ。
名前は「サライ」という。
「ありがと サライ。みんな揃ってる?」
「はい。全員」
サライは深く一礼し、それに合わせてバースが歩み始める。
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