*不採用*

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「しーちゃん!ゴメン!ここでの仕事ダメになっちゃった。ホントにごめんなさい!」  私は目の前で両手を合わせて拝まれながら謝られる。 29歳、アラサーの私をしーちゃんと呼ぶこの人は藤本百合子。私の母の妹で私のおばにあたる。 そして、この人が新しい仕事の面接の相手。 幼稚園の園長をしている。 「ユリちゃん…うそでしょ?なんでよ?来て早々、不採用ってひどくない?」 私をしーちゃんと呼ぶその人、もう48歳のその人を私は幼い頃からユリちゃんと呼んでいる。 少し日に焼けた健康的な肌に栗色の長い髪が揺れる。
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