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立ち退きの話が一区切りしたところで、
「ユリちゃん、ピアノ弾いていっていい?」
と私はユリちゃんに聞いた。
「どうぞ。遠慮なく。あ、でも私これからその立ち退きの件で担当の人と会わなくちゃいけなくて、しーちゃんが帰るときは構ってられないわ(笑)」
「何よ子供扱いしてぇ。嫌味?」
「ハハハ…じゃとりあえずまたね。そうそう、仕事の話、ダメになったお詫びにちょっとお願いあるから後で連絡するわ。」
「お詫びにお願いって何なわけ?」
ユリちゃんのその言い方に思わず吹き出しながら私は軽く手を振って面接をした事務所をあとにした。
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