アスピリン･スノー

*過去*

現実に引き戻されながら私はピアノのある建物に向かう。

そこは普段、先生達がピアノを弾く教室とは違う場所だ。

その建物は幼稚園の子供達が月に数回、礼拝するときに使う所で、さながら小さな教会といった感じの造りになっている。

ステンドグラスがいくつもあるその中はとても神秘的で、でも私にとってはいつも懐かしい光が差し込んでいる場所。

私はその教会の少し古びた茶色の扉を開け、中に入った。