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父とは同じ病院に入院していたけれど、私は一度も父には会いには行かなかった。行きたくなかったというのが正しい。
父に会わないことが、あのときの私の気持ちを伝えるには一番の方法だと思った。不倫という父の生き方は、高校生の私にとってあまりにも罪深いものであり、到底許されることがないことにしか思えなかった。
父は再三、私に会いたいとユリちゃんに申し出たようだったけれど、私は私の意志で拒否し続けた。
退院したら私のマンションにおいで、とユリちゃんは言ってくれたけど、私は父と離れて1人暮らしをすると決めた。
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