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「あ…しーちゃん、ちょっと言いにくいんだけど…
姉さんの、その…最後の手紙…どうする?読む?」
ユリちゃんが帰り支度をしながら話す。
最後の手紙…つまり遺書だよね…
「…まだ…ダメかも…ごめんなさい…」
私は母の遺書があると聞かされてからも、読む決心がまだつかないでいた。
「いいのいいの。そりゃそうだよね。しーちゃんはとにかくこれから自分の人生を幸せに歩かなくちゃ。
実は…私もまだ…姉さんの手紙は読めてなくてさ。
お互いゆっくり決めよ。」
ユリちゃんは私を元気づけるように笑って言った。
「うん」
と、私はそれしか返せなかった。
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