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「あぁ、園長が見えた。もうここで…ありがとう」
その人は窓の方を指差しながら言った。
その人が指差す方を見ると確かにユリちゃんが若い女の先生と何やら園庭で話しているのが見えた。
ステンドグラスからの陽射しは相変わらずやわらかい。
でも、窓からの陽射しはもうオレンジ色が強くなり、夕方であることを知らせる。
「じゃ、私もここで失礼します」
私はそう言って頭を下げた。彼も軽く頭を下げ、ゆっくり扉の方へ歩き出した。
私が頭を上げたとき、突然彼が振り返って言った。
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