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道は最後の方は1メートルぐらいになっていて、慎重に恐る恐る、ゆっくりと進んだ。
そうして、やっと出口であろう扉の前にやってきた。
「ふぅ」
と息を吐き、無事着けたことに安堵した。
少し気持ちを落ち着かせて、僕は扉に近付く。
扉は入り口の扉と同じで古ぼけていた。
その扉に手を当て、ゆっくり押してみた。
隙間が開き、そこから光と風が入ってきた。
風で押されているからか、扉が重い。
だから少し、押す力を強める。
そうすると扉は動き出し、途中から軽くスーっと開いた。
視界は明るくなり、一気に全身に風が当たってきた。
新鮮な空気だ。多分、外に出たんだろう。
そこは緩い登り坂になったトンネルだった。その先は丸く白い光が見えている。
出口だ!
僕は嬉しくなってウキウキな気分になり、その登り坂を一気に駆け上がって行った。
あと少し……!
「ハァッ、ハァッ」
息切れするのも、お構い無しに走る。
出口の方には青い空が見えていた。
そして、僕はやっとトンネルを抜け出る。
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