1、開けて

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あぁ。 私の身体からか・・・? そうか。 納得しようとしたところに。 図ったように、瓶がぶつかる音がした。 「おいちゃーん。もらうよコレぇ」 「もらうっていうな。払ってけ」 「ツケといてー」 「生意気になりやがって!」 めずらしいな。 おいさんとやりあう男の子、か? 声的に。 私がこの銭湯に通い始めて、もう数十年になる。 結構するマンションで、もちろんバス付きでトイレとは別。 そんな暮らしになっても、金曜日にはここに通い詰めていた。 それが数十年。 私の身体が大人になっていく過程も、おいちゃんには知られている。 なんたって番台をやることもあるからさ。 その私が。 知らない声。 しかもツケられるほど頻繁に通う男? 「おねえさん、となり。  お邪魔しますー」 「あい、どーぞ」 顔にかぶせていたタオルをどけて、チェストに置いたコーヒー牛乳を私の方によせた。 そのとき、割と広いチェストなのに指先が触れて、私は彼の顔を窺う機会に恵まれた。
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