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異世界生活二日目
俺様は今、王城にいる。
客人としての扱いなので、待遇としては悪くない。
ソファーは柔らかい
紅茶は美味い
菓子もある
メイドもいる
執事もいる
だがな、ただ待っているだけの時間は苦痛だ。
「あぁ……クソッ、暇だ。
おい、お前何か面白いことしろ」
「……あの、僕も一応王族なんですけど……」
「だから?」
こいつは、現在着替え中で俺様を待たせている元凶のファナと双子の弟であるクレイ王子。
あぁ、退屈だ。
注文通り赤くなり、銘もついた俺様のナイフ『鬼角』で一暴れしようかとも思う。
「……やっぱこういうときは探索だな。
王城なんだから少しは面白いモンでもあるだろ」
「え、あっ、ちょっと!?」
部屋を出た俺様の後を追うようにクレイが飛び出してくる。
さーて、やっぱ王城で面白そうなモンがあるとしたら……地下だな。
誰にも俺様の好奇心は止められない。
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