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「はいぃぃぃッ!?」
情けない悲鳴を上げながら和人はその場に伏せる。
ニナの撃った弾は再び和人の部屋に破壊を生み出し、ありとあらゆる物を木っ端微塵に粉砕した。
やがて、全ての弾を撃ち尽くしたニナは「チッ」と舌打ちをしてから、三連式リボルバーに新たな弾を込め始めた。
「ご…ごめんなさい、ごめんなさい!! すぐに決めますので、も…もう撃たないでくだざい!」
最後に泣きが入った和人を、ニナは睨み付ける。
「あ~ッ!? 黙って見てろボケェ!」
そう言って突き放し、ニナは弾を込め終えた三連式リボルバーを三度和人の部屋に向けた。
「止め……!」
ドゴッ
和人の制止の声を遥かに上回る、腹の芯から震える大きな銃声が響く。
またその場に伏せようとした和人だったけど、それは出来なかった。目の前で起こった現象に目を奪われてしまったからだ。
ニナの撃った弾は部屋の中心……何もない空間で弾け、眩い光を放つ。
部屋中に散らばる、元が何かさえ分からない残骸がその光を浴びた瞬間、まるでDVDの逆再生を見ている様に破壊される前の姿に戻っていった。
「す…凄い……」
ニナが普通の人間ではないと分かっていた和人だったけど、それでも目の前で起っている現象を、信じられないモノを見る思いで見ていた。
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