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部屋の再生は一分もしない内に完了した。その再生具合は、一度完膚無きまでに破壊されたとは思えない程だった。
「さ、て……あたいの実力はこれで分かったろ? これはサービスしといてやるよ」
三連式リボルバーの銃口から立ち昇る硝煙を「フッ」と吹き消して、ニナは不敵に笑う。
そもそもあんたが壊さなかったら済んだ話なのに、随分恩着せがましいな……。
とは、口が裂けても言えない和人だった。
※※※
「こいつは『ケルベロス』。昔っからのあたいの相棒さ」
ニナは自慢気に手にした三連式リボルバー……ケルベロスを掲げた。
「こいつに魔法の弾を込めて撃ち出す事でテメェの願いを叶えられるって訳だ」
ベッドに腰掛けながら、ニナは指先で器用にケルベロスを振り回す。
「はぁ……凄いですね」
それ以外何も言えず、和人は椅子に寄り掛かるみたいに座る。
「そんで? 『一生に一度の願い』は決まったのか?」
ニナにケルベロスの銃口を向けられ、和人はビクッと身を強張らせる。
それでもまた部屋をメチャクチャにされたくないので、慌てて願いを口にした。
「あ…あの、オレ……同じクラスに好きな女の子がいるんですけど、その子と恋人になりたいなって……」
「ああ、そりゃ駄目だ」
和人の『一生に一度の願い』は呆気なくニナに却下されてしまった。
「…………はい?」
意味が分からず聞き返す和人に、ニナは何処からか人の頭位の大きさの何かを取り出した。
それは、頭蓋骨の形をした水晶だった。
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