第二章 神様のマニュフェスト

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その時、和人の部屋のドアがノックされ、 「話し声がするけど友達でも来てるの?」 そう声を掛けながら和人の母親が部屋に入ってきてしまった。 「チィッ!」 その瞬間、ニナは舌打ちをして手にしたケルベロスを和人の母親に向け、一瞬の躊躇いも無く引き金を引いてしまった。 ガォンッ 腹が震える轟音とほぼ同時に、ケルベロスから吐き出された弾丸が和人の母親の額で弾けた。 「ッ!?」 言葉を失う和人。 目の前で母親が撃ち殺された……と頭が判断する前に、和人の母親はニナにニッコリ微笑み掛けた。 「あらニナさん、いらっしゃったんですか? すぐに晩御飯の用意をするんで、良かったら食べていって下さい」 そう言って、和人の母親は何事も無かったかの様に和人の部屋から出ていってしまった。 「えッ!? なッ!? ちょッ!? 何ッ!?」 目の前で起きた事を理解する前に、更に理解出来ない事が起こった為、和人の頭はパンク寸前だった。 そんな和人に、ニナは馬鹿を見る目を向ける。 「テメェの母親にあたいの存在の記憶を撃ち込んだだけだ。それ位見りゃ分かんだろ」 (いえ、さっぱり分かりません) とは言えなかった。
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