ゆっくり年をとって欲しがった。

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この頃ボク達兄弟はいずれ来る甲斐の死を意識しはじめていた。 その時に心配なのがオカァ。 『オカァ、甲斐だってそんな長くないんだから、甲斐が死ぬ前にもぅ一頭飼ったらいいんじゃない?』 ボク達は、甲斐を溺愛していたオカァがもし甲斐が死んだらショックで駄目になってしまうんじゃないかっていつも心配していた。 甲斐が死んだ時にもぅ一頭いたら、甲斐の死の悲しさが和らぐ訳ではないけれど、もぅ一頭の世話やその責任で少しは気持ちが楽になるんじゃ無いかとボク達は考えていました。 だけどオカァは、 『いいの。甲斐の世話で手一杯だし、私には甲斐が居てくればそれで! 甲斐が死ぬ時の事も大丈夫!甲斐がもぅそんなに長く無いって言うのも覚悟してるし、長く無いって言ったってもぅ2、3年は大丈夫だべ? それより、甲斐が居るのに死んだ時の事を考えてもぅ一頭飼うのは甲斐にも、もぅ一頭にも可哀想だ、 甲斐には余生をゆっくり穏やかに過ごして欲しいし。』 この時、甲斐はまだ元気だったのに家族でこんな話しをするのは甲斐にちょっと酷いかな😅って思いながらも、まだまだ来て欲しくないその時の事について、よく兄弟や家族で話していました。
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