その時は突然に…

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「何か言ったかしら?」 か、顔が笑ってねぇ。 「何笑ってんだよ!そんなに俺に広辞苑が当たってるのがそんなに面白かったのか?」 「真幸、いい眼科紹介してやろうか?」 「なんで眼科なんだ?」 馬鹿には精神科だったか? 「で、早紀の料理はそんなに、その、なんだ、個性的な味なのか?」 ブォン、俺の横を広辞苑が通過し、壁にめり込んだ。 「遠回しに言わなくても良いからね」 血管が浮き出てるよ、早紀さん。 「今度教えよっか?」 「本当に?ありがとう海ぃ」 「気にしないで北野さん」 「早紀でいいよ」 「じゃあ…早、紀」 「ぎこちないけどま、いっか」 いや、今日会ったばかりで呼び捨て×名前呼びは少しきついだろ… 「まぁ、食べるか」 各々それぞれ食べ始める。しかし、七瀬の弁当、旨そうだな。 「じゃあ…食べてみる?」 「え?」 最近の女の子は読心術でも心得ているのか? 「いいのか?」 「うん。皆も食べる?」 「「食べる~」」 相変わらずテンションの高い二人だな。 「せっかくだからいただくよ」 俺たちは七瀬の弁当を少し分けて貰う事にした。
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