その時は突然に…

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「今日は始業式だけだから、すぐに体育館に移動しろよ」 「じゃあ行くか」 「そうだね」 「あぁ」 そういえば七瀬は、と後ろを向くと七瀬はもう居なかった。 「……であるからして」 校長の挨拶は今日も絶好調だな。いつもながら… 「それ、寒いよ」 「え?」 俺の心が読まれた? 声の主は七瀬だった。 「いつもそんな寒いこといってるの?」 「そ、そんなわけない、たまたまだ」 俺が必死に言い訳をするとマイクで担任が「高岡ぁ、そんなに目立ちたいかぁ?」と言うもんだから体育館は笑いに満ちた。 焦っている俺をみておもしろかったのか、七瀬も声を殺して笑っていた。 「いやぁ、けっさくね」 「まったくだぞ、お前があんなに目立ちたがるなんて」 「ちげーよ、あれは七瀬が」 「ふーん。てかあんたら仲いいよね?何かあったの?」 「あぁ、朝散歩してたらたまたま会っただけだ」 「「ふーん」」 二人がにやけながらこっちを見てくる。なんだよその笑みは…
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