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「皆さん、お静かに願います」
壇上から聞こえてきた声に、ユースィはパッチリと目を覚まされ、壇上を見上げた。
「……リューヴトラ?」
リューヴトラは叫び声に顔を少ししかめている。
彼は兎、音には敏感だ。
だからこそなのか、ユースィの呟きも聞こえたようで、リューヴトラはこっちを見てニッコリと微笑んだ。
益々大きくなる歓喜の叫び。
『ご愁傷様』
ユースィはこっそり胸の内で手を合わせた。
「皆さん、静かにして下さらなければ、強制的に退場していただきますよ?」
ニッコリ。
そうすると、あの素晴らしく耳をつんぐさぐ爆音は収まった。
「ねぇ、ミリア。
リューヴトラって何であんなに人気なの?」
ユースィは素直に隣の席のミリアネーズに尋ねた。
「え!?
ユー、リューヴトラ=マリュアリネ先輩を知らないの?」
いや、知ってるけど……とは口が裂けても言えない。
ミリアネーズはリューヴトラについて語り出した。
ここからはリューヴトラの挨拶とミリアネーズの話を同時に聞くとどうなるかをお送りします。
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