12人が本棚に入れています
本棚に追加
ユースィが扉を潜ると後ろ手に扉に鍵がかけられた。
オートロックのようだ。
「お待ちしておりました、お嬢様」
そう言って、目の前の校長が座るような席に座っていたリューヴトラはピシッと背筋を伸ばした。
そんなリューヴトラを不思議そうな目で見ている眼鏡の男に気づき、ユースィはリューヴトラの耳を引っ張って、部屋の隅に引きずっていった。
<リューヴトラ、怪しいじゃない!!
場所を考えなさい場所を!!>
ユースィは小声でリューヴトラを叱る。
<しかしお嬢様、お嬢様に変な口をききたくは……>
リューヴトラがしょんぼりしながら反論する。
<いい?
私はここではお嬢様じゃないの、今はただのユースィ。
分かった?>
『ただの、ユースィ……お嬢様でなければ、俺はユースィと……』
<私もここではリューヴトラ先輩って呼ぶから、分かったわね!!>
そう叫ぶと、ユースィは隅っこから脱出した。
「えー、改めまして、ユースィ=ブラックレーベル。
貴女を、生徒会会長補佐に任命致します」
『隅っこでも様になってる……じゃなくて』
「えぇえぇぇえぇ!?」
ユースィは叫ぶしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!