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ボスッ。
ユースィは制服を脱ぎもしないでベッドに飛び込んだ。
天蓋のカーテンをシャッと閉じる。
ユースィは思った。
『いつかリューヴトラを解放してあげないと…』と。
能力さえなければ、リューヴトラを縛らずに済んだのだろうか。
リューヴトラが兎人間でなければ、リューヴトラと主従関係にならなかったのだろうか。
『リューヴトラ…。
兎を意味する名前…』
色々考えていたら何時の間にか眠ってしまったみたいだ。
「お嬢様……いや、ユースィ…」
髪を梳かれる感覚。
その手と声はとても優しい。
「ユースィ…俺は…」
その先を呟かずにリューヴトラはユースィの額にキスを落とした。
そうして手際よく服を脱がされる感覚がした。
抵抗するのも億劫で、リューヴトラが優しかったからユースィは微睡みとの狭間で、全てをリューヴトラに預けた。
ピクッ。
リューヴトラの指がユースィの肌をなぞる。
布の感覚ではない、素手だからこそ安心できる。
………傷痕……。
痛くはない。
記憶もないような昔の傷だ。
リューヴトラは何を思ったのかユースィの傷痕に舌を這わせた。
「ンッ///」
ピクリと反応するユースィ。
知っている。
今、リューヴトラはとても優しい顔をしていることくらい…。
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