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「ん……」
シャッという音がしてカーテンが開けられると、キラキラとした早朝の日差しが少女の顔に差した。
「お嬢様、お目覚めのお時間です」
カツカツと歩き回り、部屋のカーテンを片っ端から開け放った黒い燕尾服のような服を着た男が眠っていた少女に言った。
「やだぁ……リューヴトラぁ睡いぃ…」
少女は目を擦りながら窓から差し込む太陽から逃げるように体を転がした。
するとリューヴトラと呼ばれた男がすっと少女の耳元に唇を寄せて呟いた。
さっきとは違う真っ黒い声で。
「お嬢様、早くお起きにならないと襲いますよ?」
それを聞いた少女はガバッと凄い勢いで起き上がった。
「リュ……リューヴトラ!!
何なのですか!?
あ、朝っぱらから!!」
少女は耳まで真っ赤にして、リューヴトラが囁いた方の耳を押さえていた。
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