1.序章

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「お嬢様、お食事に行かねば遅刻なさいますよ? 俺は早めに登校しなければいけませんので、コレを……」 リューヴトラはそう言って自分の耳を摘んだ。 「はいはい」 少女はそう返事すると チュッ。 リューヴトラの耳にキスをした。 するとぐんぐんとリューヴトラの耳が縮み、人間の耳に変わった。 別にずっと人間の耳状態も出来るのだが、それは少女の体に負担がかかる。 それに、少女は兎耳が大のお気に入りだったのだ。 「では、これにて行って参ります。 追伸、変な男に捕まらないようにお気をつけ下さい」 なぜかそう付け足して、リューヴトラは四つ折りにされた紙を少女に渡した。 「放課後はここにいらして下さい。 では、失礼いたしました」 そう言ってリューヴトラは部屋から退出した。 少女は今日から高校生だ。 真新しい制服に身を包んだ後、少女は食堂に向かった。 食堂からはとてもいい匂いがする。 今日の朝ご飯はライ麦パンに目玉焼き、黄身は二つ、取り合わせのサラダにボイルされたウインナーだった。
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