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「お嬢様、お食事に行かねば遅刻なさいますよ?
俺は早めに登校しなければいけませんので、コレを……」
リューヴトラはそう言って自分の耳を摘んだ。
「はいはい」
少女はそう返事すると
チュッ。
リューヴトラの耳にキスをした。
するとぐんぐんとリューヴトラの耳が縮み、人間の耳に変わった。
別にずっと人間の耳状態も出来るのだが、それは少女の体に負担がかかる。
それに、少女は兎耳が大のお気に入りだったのだ。
「では、これにて行って参ります。
追伸、変な男に捕まらないようにお気をつけ下さい」
なぜかそう付け足して、リューヴトラは四つ折りにされた紙を少女に渡した。
「放課後はここにいらして下さい。
では、失礼いたしました」
そう言ってリューヴトラは部屋から退出した。
少女は今日から高校生だ。
真新しい制服に身を包んだ後、少女は食堂に向かった。
食堂からはとてもいい匂いがする。
今日の朝ご飯はライ麦パンに目玉焼き、黄身は二つ、取り合わせのサラダにボイルされたウインナーだった。
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