現実

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昔は先生をしていたらしい それがあの日を境に全て変わってしまった… 朝食を食ながら思いふけてる所に、母さんがいきなり 「今日、雨が強いから送ろうか?」 と言ってきた。 俺は迷った。 ここから学校まで徒歩20分、別に濡れてもいいし、登校中は音楽を聴きたい。 「…ん~」 暫くの間 まぁ…歩かなくて済むんだからそれに越したことはないか。 「分かった」 朝食時の会話はこれだけだった。 足早に支度をし、外に出る。 急いで車庫に走る。おかしい。 たったの10秒くらい走っただけなのに制服がびしょ濡れだ これは歩いて行かなくて正解だったと苦笑する。 「後ろに乗って」 母さんは既に車のエンジンを温めてスタンバイをしていた。 言われた通りに後部座席に乗り、発車するのを待った 雨音を聞くと心が落ち着く。 一体なぜだろう? 俺の心が雨と似ていからだろうか。 まぁそう言ってしまえば自分では納得出来る。 別に誰かに問いかけてるわけじゃない。 これはただ、自分に対する「愚問」なんだから…
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