現実

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やっぱり車は違う。 徒歩で行ったら20分はかかるのに、車は数分だ。 人類の英知に改めて驚かされた。 車から降りる支度をして、母さんに 「行ってくる」といい、足早に歩いた。 雨が強い。 まるで空から降ってるのではなく、地面から降っているようだ。 校門を通り、校舎までたどり着いた。 「ようやく着いた…」 外を振り返ると、ずぶ濡れの生徒達が走っていた。 「可哀想に…」 俺は、上靴を取り出して、自分の教室に向かった。 教室に入った途端に 「おはようさん!」 「誰だ。お前」 「知らない…だと、なら教えてやる!俺の名前は……」 言葉を遮り 「陸奥 宗太(むつ そうた)だろ」 笑いながら 「なんだよ。知ってるんじゃねーか」 「お前もよくのるよなぁ~」
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