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『どうやって死にたい?人間よ』
「…無痛がいいなぁ」
『それは無理な話だな』
「なら一瞬で殺して。痛いのは嫌いなんだ」
『お安い御用だ』
「あんたいい悪魔だね」
『ふはは、よかったな。我みたいな悪魔に殺されて』
「ほんとにね」
すう、っと目を閉じた。
そして来るべき痛みを待った。
なのに。
”この匂いだ。この血。お前が俺を呼んだのか?”
青白い光に包まれて、僕の前にはなにかが、いる。
「え…?」
”ルーイ!彼を呼んだのは僕らだよ!彼なら君をたすけてくれるから!”
「…どういうこと?」
『貴様…高等妖精か…?』
”まぁな。お前、ルーイとか言ったか?”
「あ、はい…」
”助けてやろうか?”
「え」
僕の前に立つこの妖精は、どう見ても人間に見える。
僕のまわりにいた妖精たちは、可愛らしいキャラクターのようだったのに。
彼はとても背が高く、見たこともないような綺麗な顔立ちで、藍色の長い髪を一つに束ね、変わった服を着ている。
「どうしたら、いいの?」
”わかるじゃねーか”
彼はにや、と笑った。
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