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"契約するんだ、俺と"
「契約…?」
"あぁ。"
「どうやって?僕、何もないよ?普通は対価とか払うんじゃないの?それか魔力を見せるとか」
”賢いヤツは嫌いじゃねぇよ。話は後だ。俺と、契約しろ”
『させるかっ!!!』
悪魔が青い冷気を出しながらこちらへ向かってきた。
僕は無意識に
「君と契約するっ!!」
と叫んでいた。
そしてその時恐怖で閉じた瞳を開くと、目の前に悪魔はいなくなっていた。
「…あ、れ…?」
”消した。さぁて、邪魔モンもいなくなったし、説明すっか”
「お、お願いします…」
彼の話はこうだ。
普通妖精と契約するのには、それなりの対価を払うか、自分が強い魔力を持っている場合はそれを誇示し従わせる契約の2種類だそうだ。
でも、僕の場合はなにも持っていないのでどうしたもんかと思っていると、”ここにいる妖精たちが払ってくれるようだ”と言った。
「…どういうこと?」
”お前はここの奴らに好かれているらしいな。こいつらが変わりに対価を払うってよ”
「…何…を?」
”自分たちの生命力である魔力を俺に渡すとさ”
「え…?」
”いいんだよ、ルーイ。君を守れたんだから。それに僕らが彼にあげた魔力は彼の魔力となり、より君を守ってくれる。いいこと尽くめなんだよ”
「だめだよっ…!君たちがいないなんて、僕、」
”ルーイは優しいね。でもね、そんなルーイだから守りたいんだ。”
「…っ、ねぇ、妖精さん!ほかに、なにかないの!?僕が、何かできることは…?」
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