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やばい、寒気がする。
”ルーイ、帰って!来る、悪魔が来ちゃうよ!”
「…うん、帰りたいんだ。でもね、足が、動かないんだ」
凍ったように動かない脚。
なんで?なんで?
まわりに妖精たちが集まってくる。
でも、危ない。
「みんな、いいから!逃げて!君たちが危ないよ!」
”だめだよ!ルーイを僕らは守るんだ!!…僕らはね、昔からここに住んでたけど、今まで人間と話せたことはなかったんだ。ルーイが現れるまで”
「そうなの?」
”初めて話せた人がルーイだったんだ。だからね、絶対に守るよ!僕らは決めたんだ!”
そんな嬉しいことを言ってくれるのに、僕の目の前には悪魔が現れる。
なんて最悪なんだろう。
もっと、みんなと話したかったのに。
『お前、人間だな…?』
青い顔に、地を這うような声。
手からは冷気が出ている。
寒さの原因はあいつだったんだ。
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