出会いと契約

8/12
前へ
/31ページ
次へ
やばい、寒気がする。 ”ルーイ、帰って!来る、悪魔が来ちゃうよ!” 「…うん、帰りたいんだ。でもね、足が、動かないんだ」 凍ったように動かない脚。 なんで?なんで? まわりに妖精たちが集まってくる。 でも、危ない。 「みんな、いいから!逃げて!君たちが危ないよ!」 ”だめだよ!ルーイを僕らは守るんだ!!…僕らはね、昔からここに住んでたけど、今まで人間と話せたことはなかったんだ。ルーイが現れるまで” 「そうなの?」 ”初めて話せた人がルーイだったんだ。だからね、絶対に守るよ!僕らは決めたんだ!” そんな嬉しいことを言ってくれるのに、僕の目の前には悪魔が現れる。 なんて最悪なんだろう。 もっと、みんなと話したかったのに。 『お前、人間だな…?』 青い顔に、地を這うような声。 手からは冷気が出ている。 寒さの原因はあいつだったんだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

176人が本棚に入れています
本棚に追加