そして朝はやって来る。

2/6
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
今日こそ…言うんだ! …… ピピピピ, ピピピピ カチッ。 手で時計の音を止めた。 「ふぁ--ぁ」 「はぁ,目覚めのいい朝…じゃない!」 時計を見ると針は8時を指していた。 「やっば!!」 私は階段を駆け降りると紙袋から食パンを取り出し,トースターに2枚差し込み,居間で手を合わせた。 チーン。 「お母さん,お父さん,行ってくるね。」 千波の母親と父親は千波が7歳の時にダンプカーで轢かれ…亡くなった。 ---- 「おと-さん!まだ?」 千波一家はショッピングデパートへ向かっていた。その日は千波の誕生日で,ずっと欲しがってた三輪車を買いに行く途中だった。 その日は雨が強く,少しでもスピードが上がればスリップする程だった。 「千波はずっと三輪車欲しがってたもんね~。」 「うん!買ったらおか-さんにも乗らせてあげるね!!」 「お母さんは無理だわ。サイズが小さいから((笑」 「そうだな~。」 そういい,お父さんが後ろを向いた時だった。 ドーン! この日がお父さんとお母さんを見るのが最後の日だった。 前でスリップしたダンプカーが千波一家の乗っていた車に衝突したのだ。 お母さんとお父さんは千波をかばうかの様に亡くなった…。 ---- 「いけない,昔のこと思い出しちゃった。あ,食パン焼けたから行ってくるね!」 食パンを1つは口に加えたまま,もう一つは手に持ち家を出た。 「やっば-!今日入学式なのに~!なんでこんなに運悪いの~!」 苺ジャムを塗った食パンを頬張りながらぶつくさ言い走っていた。 次,曲がり角で曲がるはずが,千波は-遅刻-という出来事でパニックに陥っていた。 その時! キル.ビルの音楽を大音量で流して曲がり角を曲がろうとしているロールスロイスに勢い良くぶつかった。 ¨ドーン¨ 幸いロールスロイスは停車していて死には至らなかった。 と想ったら,中から人が出て来た。 「おい!ぶつかったのはてめぇか?」 「はい…。」 良く本に食パンを加えたままぶつかった人と運命の出会いとか書いてるけどそれとは裏腹にこう言い放った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!