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タイムリミットは10ページ
ある朝、
いつものように目覚まし時計の鳴る音で起きる。
だがこの時
ふと誰かが横にいるような気がした。
横を見てみると
白髪のヒゲじいさんがいた。
焦ったさ、
あぁ、焦ったさ
大分焦ったさ
思わず「うわっ!」って言っちゃったさ
でも俺は間違った反応はしていないはずだ。
誰だってそーする
俺だってそーする
白髪のヒゲじいさんはただじっとこちらを見つめている
このじいさん何者なんだ?
パッと見
某魔法使い映画の校長先生にそっくりだが
「少年よ、そう慌てるでない。
儂は神だ」
病んでるんですね?
わかります
「儂の名はバンブルドア
この世を司る神だ。」
あ、惜しい!
あと一文字!
「少年、田中太郎よ。
儂はお前さんに余命宣告を告げにここへ来た。」
よ……余命?
お、俺死ぬのか?
「てか、何で俺の名前知ってるんだよ!」
と俺が聞くとバンブルドア
は
「え、だって神だし……」
ごもっともだ。
そしてバンブルドアはゴホンッと咳払いをして話を進める。
「実はな、この世界は崩壊の危機を迎えていてな、止めるには人間を1人生け贄にする必要があるのだ。
そして、お前さんがその生け贄に選ばれたのだ。」
そんな……
いくらなんでも理不尽過ぎる。
「それで……俺の命はあとどれぐらいなんだ?」
俺がそう問うとバンブルドアは……
「10ページだ」
とかぬかしやがった。
「つまりだ、お前さんの命はこのページを含めてあと10ページなのだ。
だが、流石にそれは哀れすぎる
そこで、お前さんには10ページの間、『神の力』を授ける
お前さんは今から10ページの間、どんなことがあっても死ぬことはない。」
そう言ってバンブルドアはおもむろに懐から短剣を取り出し、俺の腕を切りつけた。
「いっ!!!
な、何しやが……」
と、言いかけた頃には
傷は既に治って……
いや、治ると言うより『消えていた』と言った方が正しい。
それは、俺に『神の力』とやらが宿ったことの証明になった。
が、それは同時に俺の命があと10ページだという証明にもなった……
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