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**大阪城** ヒュンヒュン… ? 《秀吉様と半兵衛様の為に、もっと強く!速く!》 その夜、大阪城の一角にある道場で一人の青年が愛刀を振るいながら、鍛練をしていた。 その青年…名を“石田 三成”と言った。 三成 《まだだ、まだ鍛練が足りない…!》 崇拝する豊臣秀吉と竹中半兵衛の力になるため日々、鍛練をしてきた三成。その集中力は半端なく、寝る間も食事も殆ど二の次…若しくは、全くと言って良いほど食事を摂らず、睡眠もしない。 という、不健康極まりない生活を送っていた。今まで倒れなかったのが、不思議で仕方ない。 ヒュンヒュン…! そんな三成を物陰から、ジッと見る一人の男…全身を包帯で覆い、宙に浮いた御輿に乗っている。 男の名は、“大谷 吉継”。三成とは幼少からの知り合いであり、彼が最も信頼を置く友人でもある。 吉継 《やれ、三成め…また寝もせず鍛練か…》 友としては、食事も睡眠もしてほしいと思っているが何度、口を酸っぱくして言っても「いらん!」の一点張り…最早、諦めていた。
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