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ようやく 取り抑えようと飛び出したヘラクレスだったが
「あらあら‥‥」
哀れ、斬り殺された。
「失礼、服に塵が付いていたもので‥‥」
そう言いながら、アントーニョに向かい直し
また蹴りだした。
頭蓋骨が陥没し 無事だった目玉が落ちている。
それを思いっきり踏みつける。
「何ぃ‥‥‥‥やってんだよ!?菊!」
堪えかねた俺は 怒鳴ったが、
「嗚呼‥‥‥貴方も憑かれて‥‥お気の毒に…」
よく見れば 蘭も出血多量で逝き、
生き残りは俺と殺人鬼の二人きりだった。
だが 臆することなく殴り飛ばした。
菊は倒れた後 起き上がると、回りを見渡し
顔面を蒼白とさせた。
「わ 私が‥‥殺したのですか?」
「何言ってんだ!?
(ほとんど)お前の仕業だろ!!」
菊が 何故か切腹した後、物静かだった。
「そうか‥‥」
“俺だけになったのか”
とたそがれていると‥‥
体中に這う 沢山のウジ虫を発見してしまう。
「う うわああぁぁぁ!」
手でいくら払おうとしても、多すぎて退けきれず また這い上ってくる。
その虫達は俺の恐怖心を煽るように
俺の皮を食い破り、身体の中に入ってくる。
「っあ゙ぁ‥‥ぁア゙ァ…」
更に、追い討ちをかけるように
『死ね 死ね‥‥』
[皆]の声が聴こえる。
“嫌ッ!‥‥嫌だぁぁ”
俺は窓を突き破り、この部屋から脱出した。
───────────
次の日 家庭科室で発見されたのは
9人の遺体
ガラスの破片
葉が巻かれた煙草
包丁‥‥
何れも血塗れである。
そして、裏校庭にて
3階の窓から飛び降りたとされるアーサー・カークランドの遺体も 見つかったという。
fin.
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