出会い

10/24
前へ
/74ページ
次へ
プラットホームと呼ばれる スタート地点に並んで 先行者を 観察していた。 (つ~か みんな 当たり前のように やってるから 見ても 解んね~し) 何も 解らないまま 順番がきた。 カチャッ カチャッ ビンディングを はめて スタートしようとしたが (うわ!高っ!) 足が すくむ。 しかし 後ろが つかえているので グズグズしていられない。 大きく 深呼吸して一気に スタートした! (やべ!怖ぇ!) ドスン! 落ちた。 そして コンクリートのように 固められた ボトムと呼ばれるパイプの下の斜面に 尻を打ち付け 電流のような 痛みが 背中まで 走る。 「痛っつっ!」 直ぐさま 起き上がり 直滑降で 下まで滑り降り 急いでハーフパイプから 出た。 痛みと 羞恥心に襲われ とりあえず その場から離れたかった。 ビンディングを 外し ムービングベルトの上で 数十秒前の 自分を 振り返る。 (尻を打つって事は 逃げてっからだよな?) (ボトムは 見れてたよな?目だけで 見て 顔と 体は どうだった?) 等と 自問自答していると 次々と 課題が浮かんでくる。 そうなると 俺の足は自然と ムービングの上を歩き出して行った。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加