序章

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「!!!」 余裕 見せていた 剛だったが、スタート台に立った所で、一瞬にして 顔が強張った。 「早く見せてみろよ!」 俺が急かすと 一瞬 剛は 俺を睨みつけ 恐怖を振り払うかのように スタートを切った。 ザザ~! スタート台は 上手く下り、キッカーに近付くにつれ 剛の身体が 後ろに傾く、キッカーの 上り口付近に差し掛かったあたりで ズッシャ~!! 剛は、リップと呼ばれる 飛び出し口から板だけ出して 逆さまに 大の字になっていた。 「ぶぁ~ははは! 最高~!体張りすぎだよ!」 剛もビンディングを外し、そそくさと コースを離れた。 その後 何度も何度も 挑み続け、最後の方は、スタート台の最上段から入れるようになったものの、結局 まともに キッカーを飛び越せないまま、滑走修了時間になった。
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