1人が本棚に入れています
本棚に追加
『皆よろしくね。とりあえずビールもらうかなー。』と、何だかやたらと無邪気な話し方。
私は基本的に硬派な感じの男が好きだ。
Kは真逆なタイプだった。
“バー二ャカウダお待たせしました~”
店員が持ってきた野菜を見て女子達が、
『わ!!かわいい!すごい綺麗!おいしそー。』
飲み会専用モード実行中。
『え?これ野菜だよ…何が可愛いの……』
とボソッというK。
彼には、何でも可愛いと言ってる私って可愛いでしよ~攻撃が全く通じない様子。
私は思わず吹き出した。
その私の吹き出しにもハテナ顔だった。
出逢いはそんなだった。
それからはたまに食事に行ったり、部屋にも遊びに行った。
彼はとても正直な人で、自分には昔から大好きな人がいると初めから言っていた。叶わない恋だと。
そんなロマンチストな発言も彼だから信じたし、許せた。
私の選択肢はあったはずなのに、私はそれでも彼と居る方を選んだ。
“馬鹿だな”
と自分でも充分わかっていた。
最初のコメントを投稿しよう!