出会い

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『皆よろしくね。とりあえずビールもらうかなー。』と、何だかやたらと無邪気な話し方。 私は基本的に硬派な感じの男が好きだ。 Kは真逆なタイプだった。 “バー二ャカウダお待たせしました~” 店員が持ってきた野菜を見て女子達が、 『わ!!かわいい!すごい綺麗!おいしそー。』 飲み会専用モード実行中。 『え?これ野菜だよ…何が可愛いの……』 とボソッというK。 彼には、何でも可愛いと言ってる私って可愛いでしよ~攻撃が全く通じない様子。 私は思わず吹き出した。 その私の吹き出しにもハテナ顔だった。 出逢いはそんなだった。 それからはたまに食事に行ったり、部屋にも遊びに行った。 彼はとても正直な人で、自分には昔から大好きな人がいると初めから言っていた。叶わない恋だと。 そんなロマンチストな発言も彼だから信じたし、許せた。 私の選択肢はあったはずなのに、私はそれでも彼と居る方を選んだ。 “馬鹿だな” と自分でも充分わかっていた。
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