1章

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「・・お疲れ様でしたー」 時刻は0:30。 今日もパチンコ店での仕事を終えて帰路につく。 仲睦まじく歩くカップルや、仲間で盛り上がる若者達。 皆どこか浮かれてる空気、週末の街を横目に、仕事に疲れた青年は駅に向かい黙々と歩く。 山城 司(ヤマシロ ツカサ) 23才。 パチンコ店勤務。 趣味は読書とゲーム。 夢は自分の店を持つ事。 沖縄出身の彼は、見た感じほりが深く目鼻立ちがはっきりとした、いわゆる「濃い顔」である。 しかしそれは女性に好まれる顔立ちであり「濃い系イケメン」であるのは、本人の知る由もないところであった。 世間で比較的大変な仕事と言われてるパチンコ店で仕事をする理由は、高収入な事、接客スキルを磨きたいという考えからであり、高校卒業と同時に上京して今の店に就職。 店ではバイト管理やイベント企画、収支計算を任される程の立場になっていた。 自身の夢である店を持つ資金も着々と貯まりつつあった。 店の責任者にも今年いっぱいで辞職する事を告げており、後は残された期間を精一杯働くと共に、夢の実現へ向けて日々勉強している毎日である。 長い間、彼女がいない事を除けば・・とても充実した人生を送っていると言ってもいいだろう。 ・
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