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「ふああぁ」
今日もいつものように学校の廊下で歩きながらあくびをする。
「眠たい…」
『凜音~』
陽が走って私の所に来る
「陽…おはょ~」
『あほ面こいてんなあ』
「これはしょうがないもん!!」
『ハハッ♪』
「ハハッじゃなぁい」
『まぁまぁ、あ~そいやぁ1組の赤来いるべ?』
「赤来~?あぁあの人ねぇ♪知ってるよぉ」
ブリッ子女で有名な赤来 卵娘。
皆にはあんまり好かれていない。
『赤来がよぉ…なんか風邪引いて医者から貰った薬零して足に付いて腕もげたらしいぜ…』
薬零しただけで腕もげるって…
世にも奇妙な物語感覚ですか…
「そんなことあるわけないでしょ?またからかってぇ。」
『ちげぇよ…頭痛液薬飲んで2組の多田と矢谷が足と手の指全部無くなって、3組の陽彦と真田も…』
「…嘘………」
『まじ…』
あり得ないけど…
被害者が多過ぎる…
嘘とは思えない。
「なんで…」
『最近回ってるらしい…指取魔薬ってやつが…普通の薬に混ざってるって…』
「その薬…飲んだらどうなるの?」
『必ず指が無くなるって…指が駄目な時は、腕ごと持ってかれるらしい』
人の指が…無くなる?
腕が…もげる…?
「……………とめなきゃ駄目じゃない…」
『でもあぶねぇよ…』
「でも!!ほっといたら大変な事になるでしょ!?」
私は怒鳴った。
廊下中に響く声で…
怖かった
怖くてたまらなかった
『…………』
……………
辺りはしんと静まり返った
『凜音がのぞむなら…俺も協力する』
「う…ん……」
私達は、指取魔薬を探す事になった…
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