被害者

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「「り、凜音!?これただの生理痛薬よ?」」 「ただの生理痛薬じゃないのよ!!」 「「なんだか分かんないけど…わかったよ。その薬は飲まない…他の薬なら…」」 『他の薬も駄目だ…』 私が菓与に説得をしてると、今まで二年の教室に行っていた陽が一年の廊下に姿を表した。 きゃぁあぁ!! 陽くぅぅん!! かっこいい~~!! 好きよぉ陽くぅぅん!! 陽が来た途端に騒ぎ出す女子 『市販の薬も…病院から与えられた薬も飲むな。わかったな』 「「は…はい。わかりました陽先輩」」 あ~らら; 菓与までホッペタ赤くしちゃって 菓与可愛い♪ 『あと…俺の事を陽って呼んでいいのは凜音だけだ…。』 「…………」 「「…………」」 陽の言葉で一瞬にして一年女子が私を睨み付ける。 「わ、私!?」 ちょっと顔が可愛いからって加野君にまで気に入れられちゃって… そうそう、ずるいわよねぇ 私だって陽先輩って呼びたいのに… それに加田さん陽先輩じゃなくて陽よ!?陽 呼び捨て!? うわあ調子こいちゃってぅざったい う、うわぁ~なんか凄いブーイング… 『気にすんなよ?』 陽が私の顔を覗き込む 近い近い近い近い近い!! 「「加田さん!!」」 「はっ!!はぃぃ!!なんでしょう」 あ~陽の事好きな河田先生だ… 「「陽君に近寄らないでくださる?」」 「は…はい…すみません…」 私は陽から離れようと教室のドアに手をかけた。 でも… グイッ!! 「へ…?」 『先生こそ…ケバイくせに凜音に近付かないで下さいます?』 陽は私の手を引っ張って私の目が隠れるように抱き締めて言った。 うわぁあぁぁああ!! きゃぁあぁ!! ぎゃあぁああぁぁあぁあ!! そんな事を言う陽の声と、誰かの悲鳴が聞こえた… 「陽!!離して」 『やだ』 「離してよぉ」 『やだって』 「なんで」 『他の男が凜音を狙ってるから…』 私を? 他の人が? 「嘘だ」 『嘘じゃない』 「だって…悲鳴が」 『気にすんな』 悲鳴が聞こえたのに気にしないなんて出来ないよ… 『いいから黙ってろ』 「……………」 私が陽に目を隠されながら抱き締められてる時に… 廊下に起こっている事態は…
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