夜会

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その行動にマリーナは目の前に居る見知らぬ男の後頭部から足元へと、徐々に目線を下へと下げていく。 すると先程まで、余裕タップリだったはずの執事が地面へと横たわり、苦痛の声を上げていた。 『……えっ?』 声にならない音がいつの間にかマリーナの口からこぼれる。 誰にも聞こえない、心の声だった。 『あっ……あっ………あぁっ!!』 四肢をガクガクと痙攣させ、顔中をあらゆる液体でぐしょぐしょに濡らしながら一定の声を上げる執事。 先程まで居た執事とは、別人みたいだった。 『命が欲しければ、この場から居なくなればいい。…今なら見逃してやってもいいぞ?』
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