夜会

71/73
前へ
/161ページ
次へ
そう言うと漆黒の男の返事も聞かず、また体をニョロニョロと動かし、執事へと近づいていった。 そして何も躊躇うこともなく、震える執事の首筋へと豪快にガブリと噛み付く。 『………』 無言の時間が経過していく。 すると先程まで、ガダガタと震えていた執事の体はピタッと落ち着きを取り戻し、何事もなかったように立ち上がる。 その顔は感情などなく、目も虚ろだ。 それは、まるで操り人形のようだった。 『では、そろそろ失礼いたします。』 細長い体で丁寧に一礼をして、来た道を戻っていく。 それに続き、無言で白蛇の後をついていく執事。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加