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そう言うと漆黒の男の返事も聞かず、また体をニョロニョロと動かし、執事へと近づいていった。
そして何も躊躇うこともなく、震える執事の首筋へと豪快にガブリと噛み付く。
『………』
無言の時間が経過していく。
すると先程まで、ガダガタと震えていた執事の体はピタッと落ち着きを取り戻し、何事もなかったように立ち上がる。
その顔は感情などなく、目も虚ろだ。
それは、まるで操り人形のようだった。
『では、そろそろ失礼いたします。』
細長い体で丁寧に一礼をして、来た道を戻っていく。
それに続き、無言で白蛇の後をついていく執事。
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